癌の薬

バルバーサ錠の製造販売が承認 FGFR阻害薬の特徴と共に予習

2024年12月27日に尿路上皮癌治療薬としてFGFR阻害薬のバルバーサ®錠の製造販売が承認されました。過去にもFGFR阻害薬のリトゴビ®錠について解説したこともありますが、今後はこのような細胞増殖因子をターゲットとした抗がん剤がますます増...
疾病・病態

見落としに注意!術中虹彩緊張低下症候群を起こしやすい薬

先日以下のような処方を受けている患者さんを投薬したら、来月に白内障の手術を予定しているとのことでした。Rp(1)(般)タムスロシン塩酸塩口腔崩壊錠0.2㎎ 1錠     1日1回 朝食後  28日分Rp(2)ベオーバ錠 1錠     1日1...
感染症の薬

メトロニダゾールゲル「マルイシ」が発売 対象となる疾患とともに解説

2025年3月3日に丸石製薬からロゼックス®ゲルの後発品であるメトロニダゾール®ゲル「マルイシ」が発売されました。先発品はがん性皮膚潰瘍臭および酒さに有効ですが、後発品はがん性皮膚潰瘍臭のみに有効です。この機会にこの商品の説明と、対象となる...
神経系の薬

リスペリドン クエチアピン 頓服使用の際の使い分け

過去の記事で触れましたが、私の薬局は老人ホームの薬の管理をしており、定期的に医師や看護師等とカンファレンスを行っています。その中で興奮を起こしてしまう患者にリスペリドンやクエチアピンを頓服で処方する事例がありました。どうしても認知症などを患...
免疫系の薬

遺伝性血管性浮腫治療薬 アナエブリ皮下注について

2025年2月20日にCSLベーリング株式会社のアナエブリ®皮下注が承認されました。これは遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制薬です。従来とは異なる作用機序のものなので、治療の選択肢が広がりました。まだ発売されていませんが、これを機に遺伝性...
循環器系の薬

ユバンシ配合錠 肺高血圧症とその他の治療薬と一緒に解説

昨年書きかけで下書き保存したままの記事を発見しました。急いで追記しようやく完成しました。2024年11月に発売された肺動脈性肺高血圧症治療薬のユバンシ®配合錠についてです。肺高血圧症自体あまり触れる機会のない疾患ですので、この機会に病態とこ...
ヒヤリ・ハット

ヒヤリ・ハット分析 MAO阻害薬とOTCの相互作用について

昨年のものになりますが、公益財団法人日本医療機能評価機構の薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業で現在服用中の薬とOTC薬の併用禁忌を未然に防止した事例がありました。内容としては基本的なものですが、薬の内容をしっかり理解していないと見過ごす可...
調剤業務

血管浮腫 原因となる薬物

先日うちの新患さんに以下の内容の処方がされました。Rp(1)(般)クラリスロマイシン錠(200)    2錠       1日2回 朝夕食後 5日分Rp(2)(般)デキストロメトルファン錠(15)  3錠    (般)カルボシステイン錠(2...
調剤業務

ライ症候群のリスクの見落としに注意

今年はニュースでも騒がれているようにインフルエンザが大流行しています。先日の休日当番を行った際は何十人とインフルエンザ患者、コロナ患者が押しかけて大変でした💦その際に以下のような処方があり、うちの薬剤師が処方医に疑義照会してくれました。12...
神経系の薬

クービビック錠 従来のオレキシン受容体拮抗薬との比較

前回に引き続き新薬の情報です。2024年12月19日に不眠症治療薬のクービビック®錠が発売されました。ベルソムラ®錠、デエビゴ錠®に続く3つ目のオレキシン受容体拮抗薬です。クービビック®錠がベルソムラ錠やデエビゴ®錠と比べてどう違うのかを中...