身内に不幸があった関係でしばらく更新ができていませんでした😢身内の不幸はどうしても避けてとれないですが、精神的にキツイですね💦ようやく少し気持ちも落ち着いてきたので、そろそろ記事を書こうと思います。もう5月も中盤になり、来月からは調剤報酬が改定されます。まだ連携強化加算についてふれていなかったので、今回紹介したいと思います。多くの薬局で算定可能となりますので、是非理解して頂けると嬉しいです。
連携強化加算とは簡単に言うと、新興感染症や災害が発生した際に、医薬品の供給や地域の衛生管理に係る対応等を行う体制が確保されていることに対する加算です。算定要件を見てみましょう。
・算定要件
連携強化加算は、他の保険薬局、保険医療機関及び都道府県等との連携により、新興感染症又は災害の発生時等の非常時に必要な体制が整備されている保険薬局において、調剤を行った場合に算定できる。なお、災害又は新興感染症の発生時等において対応可能な体制を確保していることについて当該保険薬局のほか、当該保険薬局の所在地の行政機関、薬剤師会等のホームページ等で広く周知すること。
算定要件に関しては理解しやすいですね。しかし施設基準が沢山あり、これの解釈がなかなか大変です。それでは施設基準を見てみましょう。
・施設基準
施設基準は厚生局のHPに掲載されている「様式 87 の3の4 連携強化加算(調剤基本料)の施設基準に係る届出書添付書類」により確認できます。
これを確認していきます。(1の第二種協定医療機関の指定については話が長くなるので最後にします)
まず研修・訓練についてですが、2のア、3のア、4、8にあるように感染症発生時の医療の提供、災害発生時の医療の提供・対応、オンライン服薬指導についての3種類の研修が必須となります。
感染症、災害に関する研修は年に1回以上とされていますが、オンライン服薬指導に関する研修に関しては回数の明記がありません。
オンライン服薬指導に関する研修は主に制度に対する理解、セキュリティについてになります。これについては日本薬剤師会がオンライン服薬指導に関する研修スライドを公表していますので、これに沿った内容で行えばよいでしょう。
オンライン服薬指導について(前半)~制度と実務~
オンライン服薬指導について(後半)~オンライン服薬指導とセキュリティ~
次に薬局における備蓄、医薬品その他の供給体制についてです。
2のイにあるように個人防護服が必要になります。マスク、手袋、フェイスシールド、プラスチックエプロンなどですね。
2のイ、10にあるように要指導薬品を含む一般用医薬品、衛生用品、検査キットが必要になります。
検査キットについては2024年3月25日に厚生労働省が「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う薬局及び医薬品販売業に係る特例的措置関係事務連絡の廃止について」を通知し、2024年4月1日をもって、薬局で新型コロナウイルスの医療用抗原検査キットの販売を認める特例措置を廃止することになりました。しかし2024年3月31日までに購入した医療用抗原検査キットは、2025年3月31日まで取り扱いは可能です。
検査キットの扱いに関しては今後どのようになるかは分かりません。とりあえずまだ在庫している検査キットは販売できる体制を維持しておきましょう。
その他の要件として
・自治体からの要請があった時は避難所、救護所において調剤、医薬品の供給をするための人員派遣協力の体制(3のイ)、
・災害、新興感染症時における薬局の体制・対応について手順書の作成、従業員への周知(5)
・災害や新興感染症時に対応可能であることの周知(7)
があります。
最後に1にある第二種協定指定医療機関の指定について確認しましょう。
第二種協定指定医療機関とは2024年4月1日おける改正感染症法において規定されたもので、都道府県等と医療措置協定を締結した医療機関を指定するものです。
医療措置協定とは重大な感染症の蔓延時に、迅速かつ的確に医療提供体制を確保するため、都道府県と医療機関が機能・役割を確認し、医療提供の分担・確保に係る協定を締結するものです。
医療機関(病院・診療所・薬局・訪問看護事業所)ごとに機能、役割は異なることになりますが、厚生労働省に資料によると薬局の役割は「自宅療養者等に対する医療の提供」です。
自宅療養患者等に対して医薬品等の供給を行うことが求められるので、前述したようにオンライン服薬指導が必須となることも理解できます。医薬品等の交付なので、医療用医薬品以外にも一般用医薬品、衛生用品なども含まれることになります。このことからも施設基準の2のウを満たす必要があることが分かりますね。
医療措置協定は都道府県のHPに締結までの手順が記載されています。例えば東京都の場合はこちらの協議フォームから 協議案の確認⇒同意⇒締結 といった手順をとります。最終的に医療措置協定書が発行されることになります。医療措置協定書の様式は関東と関西で多少内容が異なっていますね。(個人防護服についての記載があるかなど)
(ex)東京都 神奈川県 千葉県 大阪府 兵庫県
・改定における変更点
現在の調剤報酬でも連携強化加算はありますが、今回の改定では大きく2つの点が変わることになります。
①2点から5点に変更
現在の連携強化加算は2点ですが、今回の改定で5点に増加します。現在のものに比べて施設基準も多くなった代わりに、点数も上げられていますね。
②地域支援体制加算の算定要件の撤廃
現在、連携強化加算を算定するには地域支援体制加算を算定している必要があります。しかし今回の改定により地域支援体制加算の算定は不要となります。つまり災害や新興感染症発生時にキチンとした対応できる薬局なら、どこでも算定できることになります。今まで以上に多くの薬局が算定することになるでしょう。
今回の記事で連携強化加算について理解できたでしょうか?
連携強化加算については災害や感染症の研修はこれから行うでしょうし、検査キットの扱いについてはどうするか、医療措置協定も都道府県ごとに微妙に内容が異なっていたりと、まだ手探りな感もあります。しかし算定のハードルを下げたことによって、災害や新興感染症の蔓延時には多くの薬局が協力する体制を築くことを求められていることが分かります。新型コロナウイルス騒動の教訓を活かして、非常時には多くの薬局が国民の健康を守ることに役立つことを期待されています。
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