前回の記事で調剤料と薬学管理料が薬剤調整料、調剤管理料、服薬管理指導料に変更になる旨を書きました。今回の記事では調剤管理料について書いていきます。
調剤管理料は調剤料の対人業務要素と、薬学管理料の主に投薬前に行う対人業務が合わさった内容になります。算定要件は以下のようになります。
内容を見てみると分かりますが、基本的には薬剤の調整前の患者情報の収集、薬学的判断、疑義照会、薬歴の作成といった行為に対する算定ですね。内服薬(浸煎剤、湯剤を除く)において、調剤料の時と日数による算定が若干異なっています。3剤までしか算定されないのは調剤料の時と一緒ですね。
点数だけみると減っているようにも見えますが、薬剤調整料として24点算定できることを考えれば、ほとんど変わっていないでしょう。そして内服薬以外は一律4点となっています。
次に調剤管理料における加算を見てみましょう。調剤管理料には調剤管理加算と電子的保健医療情報活用加算の2つの加算があります。
・調剤管理加算
これは複数の内服薬が処方されている患者に対する管理料としての加算です。算定要件は以下のようになります。
「複数の医療機関から」となっているところがミソですね。同一の医療機関では算定できません。これは患者の服薬情報を一元的に管理するのを促進するための加算だからです。個人的には意外に算定してよいか迷うところもあると思います。おそらく服薬期間がかぶっていないとダメでしょう。患者が正しく服用してくれていればよいかもしれませんが、コンプライアンスが悪かったりすると、複数の医療機関の薬の服用がかぶっているかの判断が難しいと思います。また頓服薬に関してはどう扱うか?この辺は4月以降になってからQ&Aが出るでしょう。
また施設基準として以下のようなものがあります。
【施設基準】
重複投薬等の解消に係る取組の実績を有している保険薬局であること。
これに関しては重複投薬相互作用防止等加算が年に何回以上といった要件が課せられるでしょう。現在はまだ出ていません。
・電子的保健医療情報活用加算
これはオンライン資格確認システムの推進のための加算です。現在診断や治療の質の向上を図るため、オンライン資格確認システムを活用して患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得し、診療等に活かすことが推進されています。そのためこの加算が新設されたわけです。詳しく見てみましょう。
上記の要件をよく見ると分かりますが、オンライン資格確認システムを導入している薬局に一律で加算されるわけではありません。あくまでオンライン資格確認システムを用いて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得した場合です。現在のオンライン資格確認システムでは保険情報の確認はできても、薬剤情報や健診の情報は取得できません。そのため算定要件の(※)の条件が付けられているのでしょう。実際にうちの薬局でもマイナンバーカードを保険証として利用している人はいませんし、オンライン資格確認システムは保険証が有効か確認するための使用にとどまっています。実際は3ヶ月に1回、1点を算定する羽目になるでしょう。しかし国はオンライン資格確認システムを推進したいなら、本来はオンライン資格確認システムを利用した患者に対して点数を下げるべきです。逆にオンライン資格確認システムを使用しないと点数があがるとかなら、一気に広がる気がします。お薬手帳なんかはまさにそうでしたね。
調剤管理料とその加算(調剤管理加算、電子的保健医療情報活用加算)の説明はこれで終わります。
最後に追加として重複投薬・相互作用防止等加算が今回の改定で調剤管理料の加算に組み込まれます。今までは薬剤服用歴管理指導料の加算でしたが、これは投薬前の対人業務だからですね。算定要件や点数は今までと変わりません。念のため算定要件を確認しておきましょう。
【算定要件】
薬剤服用歴に基づき重複投与または相互作用防止の目的で処方医に照会を行い、処方に変更があった場合に算定する。
・残薬調整に係るものの場合:30点
・残薬調整以外に係るものの場合:40点
また薬剤服用歴管理指導料の加算の時と同様に、手帳の持参率が50%を切っていると算定できません。
今回の記事の中身ついてザックリまとめると
調剤管理料の加算⇒投薬前の対人業務について算定
・調剤管理加算(服薬情報一元管理に対する加算)
・電子的保健医療情報活用加算(オンライン資格確認を活用した場合の加算)
・重複投薬・相互作用防止等加算(薬歴管理料から移動)
といったイメージができれば十分かなと思います。詳しい内容については、何度も見直して落とし込んで下さい
今回もなかなかのボリュームになりました。私自身勉強しながら書いているので、時間がかかってしまいます。ゆっくりですが確実に進めていくので、少しずつじっくり理解して下さると幸いです。
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