2024年度 調剤報酬改定 地域支援体制加算

調剤報酬

徐々に2024年度の調剤報酬改定の情報が出そろってきました。ようやく実際の点数も出たので、今回は地域支援体制加算について解説します。現状の改定から変わる箇所が非常に多く、変更点を上げると逆に分かり辛くなるので、いっそのこと初めて覚えるつもりで読んでください。


地域支援体制加算は調剤基本料に対する加算であり、厚生労働大臣が定める施設基準に適合している保険薬局において算定されます。まずは施設基準から見てみましょう。

・施設基準
地域支援体制加算は1~4に分けられますが、全区分共通の基準があります。これが施設基準です。まずはこれを見てみましょう。

大きな変更点として緊急避妊薬の備蓄、調剤体制が加わったことですね。昨年より一部の薬局で処方箋なしでの緊急避妊薬の販売が開始しています。
⇒ 日本薬剤師会 オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤について
まあ処方箋なしでの販売が要件化されることはないでしょうが、対面診療・オンライン診療による処方箋での調剤は出来る体制が必須となります。この機会に緊急避妊薬についても勉強し直しておきましょう。
⇒ 緊急避妊薬 作用機序から使い方まで詳しく
また集中率85%超の薬局における後発品の調剤割合が50%から70%以上に引き上げられています。後発品の品薄は一向に改善しませんが、後発品を推進していく方針は変わらないようです。
また薬局の敷地内は全て禁煙となり、たばこ及び禁煙器具の販売も禁止です。ドラックストアなんかは注意が必要ですね。

①の地域医療に貢献する実績とありますが、これが実績要件になります。つまり施設基準を満たすためには①の実績要件も達成することが必須となります。
実績要件クリア⇒施設基準クリア⇒地域支援体制加算の算定 ということですね。
実績要件は調剤基本料1の場合と、調剤基本料1以外の場合で異なりますので、じっくり見ていきましょう。

・実績要件 調剤基本料1の場合
調剤基本料1の場合は地域医療への貢献に係る十分な実績として、以下の要件が求められます。

④を含む3項目以上の実績を満たしていれば、地域支援体制加算1として32点が加算されます。
また8項目以上の実績を満たしていれば、地域支援体制加算2として40点が加算されます。
これを見て分かるように、調剤基本料1の薬局ならば地域支援体制加算1は簡単に取れますね。地域支援体制加算2は少々ハードルが高いかもしれませんが、決して取れなくはないです。


・実績要件 調剤基本料1以外の場合
次に調剤基本料1以外の薬局の場合を見てみましょう。調剤基本料1以外の場合の要件は以下のようになります。

④、⑦を含む3項目以上の実績を満たせば地域支援体制加算3として10点が加算されます。
また8項目以上の実績を満たしていれば、地域支援体制加算4として32点が加算されます。

基本的には現行の地域支援体制加算から一律7点下げられる形になります。
別の記事で書きますが調剤基本料は一律3点上がり、連携強化加算が2点から5点に増加します。これに前回の記事で書いた医療DX推進体制整備加算が加われば大きくは変わらないのでしょう。
地域支援体制加算の実績要件は現行と大きくは変わらないので、重要となるのは施設基準ですね。特に緊急避妊薬の備蓄・調剤体制、敷地内の禁煙化などは早急に取り組むべきでしょう。
なお特別調剤基本料Aの薬局はいずれの区分でも90%減算され、特別調剤基本料Bの薬局は算定不可です。敷地内薬局は冷遇が酷すぎますね💦

今回の記事で地域支援体制加算について理解できたでしょうか?
地域支援体制加算は薬局が世間からどのようなことを求められているかが分かりやすく反映しています。加算が取れるというだけでなく、薬局が求められるべき体制を実現するためにも、どの薬局も算定できるよう頑張りましょう。

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コメント

  1. 匿名 より:

    『④を含む3項目以上の実績を満たしていれば、地域支援体制加算1として32点が加算』
    の部分で教えて頂きたいです。3項目とは、④の他に3項目ですか?それとも④の他にあと2項目満たせば計3項目、となるのでしょうか。よろしくお願いします。

    • jijineko より:

      ④を含めて3項目です。つまり④の他にあと2つで大丈夫ということですね。

      • 匿名 より:

        返信ありがとうございます。この文章からだと、やはりあと2つで良いという解釈になりますよね。本部の方から④とは別に3項目必要だ、って言われてしまったので質問させていただきました。

        • jijineko より:

          うちの会社では④+2個の計3項目で大丈夫との認識です。
          現行の地域支援体制加算3についても原文には「④及び⑦を含む3項目以上を満たすこと」となっており、実際に④(かかりつけ薬剤師指導料の実績)+⑦(在宅の実績)+③(重複投薬相互作用防止等加算の実績)の計3項目の達成で、算定できています。

          改定後の原文は地域支援体制加算1については「④を含む3項目以上を満たすこと」、地域支援体制加算3については「④及び⑦を含む3項目以上を満たすこと」となっており、同じ言い回しです。そのためおそらく④+2個の計3項目で大丈夫でしょう。

          今後もし認識が間違っていたようなことがありましたら、コメントや記事で紹介します。

          • 匿名 より:

            詳しい説明をしていただきありがとうございます。大変よくわかりました。全く同じ言い回しですね。

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