前回の記事で私が感染性腸炎にかかったことはお知らせしました。
読者の方も同じようなことが起きないとも限りません。その際に家庭内感染を如何に防ぐかは大切だと思います。今回は感染性腸炎の家庭内感染の防止にやるべき方法を紹介したいと思います。
感染症を広げないために必要なのは感染源を絶つことです。
家庭内で感染者が出た場合は当然部屋にこもってもらい、必要な時以外は出てこないでもらう必要があります。しかし感染性腸炎では感染者は必ず頻繁に出てくることがあります。そう、トイレに行くことです。下痢や嘔吐を繰り返すのでいつも以上にトイレに行くでしょう。そしてこのトイレこそが最大の感染源になります。
吐瀉物にも止瀉物にも大量の細菌やウイルスが含まれています。
例えばノロウイルスの場合、糞便1gあたり10億ものノロウイルスが含まれます。ノロウイルスは10~100個程度のウイルスで感染するようですので、感染が容易に起きること想像できると思います。
トイレを流した際はかなりの量のウイルスが飛散しています。そして飛散したウイルスは1時間以上空中を浮遊しています。これでは感染者が使用した後のトイレに入ると感染を防ぐのは難しいでしょう。これを防ぐための具体的な対策を紹介します。
まず感染者がトイレを使用した場合、感染者自身が即座にトイレを殺菌して下さい。
腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、O157などの大腸菌、カンピロバクターなど細菌はアルコールで消毒できます。しかし感染性腸炎の原因となるノロウイルス、ロタウイルスなどはアルコールは効きません。塩素系薬物での消毒が必要になります。
吐瀉物や止瀉物を消毒する場合は0.1%、感染者が触った場所(手すりなど)を消毒する場合は0.02%に塩素濃度を調節する必要があります。
0.1%を作るには、キッチンハイターなどの家庭用塩素系漂白剤をペットボトルのキャップ2杯分測り取り、これを500mLペットボトル1本の水に溶かします。
0.02%の場合はペットボトルのキャップ2杯分を500mLペットボトル5本に溶かします。
この作り方は以前から知られていますが、これは現実的ではない気がします。
塩素系消毒剤の希釈液は作り置きができません。その都度調整しなくてはなりません。頻繁にトイレに行くのにその都度作れますか?また感染者自身が作れるような状態にはないでしょう。
そこで希釈不要の塩素系消毒剤用いるのをお勧めします。
今回紹介するのは医療施設用泡洗浄ハイターとジアフォームクリーナー1000です。(どちらもAmazonや楽天で買えます)
どちらも希釈不要の泡状の次亜塩素酸ナトリウムです。泡状なのでウイルスを包み込むので飛散も少なくなります。(なおウイルスだけでなく、細菌にも有効です)
これをトイレを使った後に噴霧しましょう。便器にまんべんなく噴霧して下さい。
そして最低でも20分くらいは待ってもらいます。感染者自身が使うのはこのためですね。いざトイレを使う時に20分待つのは無理です💦
次にトイレを使う人は使用前に蓋を閉めたまま流してもらいます。先述しましたが、トイレを流すと水の勢いでかなりの量のウイルスが飛散します。これを防ぐために蓋は閉めたままにしておきます。
これによって便器に残ったウイルスや細菌をかなり殺菌でき、かつ飛散も防げることになります。
もちろん飛散したウイルスをトイレ内に留めておかないよう、換気扇は回しっぱなしですね。
さらに飛散してしまったウイルスや細菌も殺菌しましょう。ノロウイルスやロタウイルスにアルコールは効きませんが、酸性のアルコールならある程度効果はあります。
※詳しくは以前の記事「アルコール除菌、使うなら酸性でしょ」をご覧ください。
私はノロパンチを使っています。
トイレの床や手すり、その他人が触りそうなところに噴霧します。
必ず次亜塩素酸ナトリウムを流した後に使用して、便器の中には噴霧しないようにして下さい。次亜塩素酸ナトリウムは酸と混ぜると有毒な塩素ガスを発生します。
便器の蓋を閉めたままトイレを流して、蓋を開けずに使うのが良いでしょう。
ここまでやればかなり感染の原因となるウイルスや細菌を除去できたのではないでしょうか?
ついでに食器にもアルコールを噴霧しておきます。ノロパンチはアルコールをクエン酸とカテキンで酸性にしているので、口に入っても大丈夫です。洗い終わった食器に酸性アルコールを噴霧しておけば、拭き取り不要で使用できます。
最後に吐瀉物の処理方法を確認しておきましょう。
トイレに行く前に吐いてしまうケースもあると思います。その際はまずは飛散を防ぐために新聞紙やヘーパータオルで覆いましょう。ウイルスは乾燥すると飛散するようになります。そのため乾燥する前に覆ってしまう事が必要になります。吐瀉物を覆ったら、スキングローブをしてビニール袋に取り除きましょう。
拭き取ったら先ほどの医療施設用泡洗浄ハイターやジアフォームクリーナー1000を噴霧します。十分噴霧したらヘーパータオルなどで拭き取りましょう。これらもビニール袋に入れしっかり口を縛ります。さらにビニール袋は2重にしましょう。
以上家庭内感染を防ぐための方法を書いてみました。
家庭内だけでなく、職場や学校でも使えると思います。もちろん手洗いや換気はマストですが、これは新型コロナウイルス対策と一緒なので、皆さんキチンと行っているでしょう。
冬になるとコロナウイルスだけでなく、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどにも注意しなければなりません。感染症には常に対策を行わなくてはなりませんね。
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