小児科の薬の後発品は味見して

舐める

どの薬局でも今は後発品を積極的に使わなければならない状況です。

2020年度調剤報酬改定により後発品使用率が40%以下の薬局は基本料が2点減点になってしまいます。一方後発品使用率が85%以上の薬局は基本料に28点加算と、まさにアメとムチですね。
もちろん後発医薬品を推奨する際には患者さんに、有効成分と効能効果が同じであり、薬代が安くなることを説明しておススメしていると思います。
では小児科の薬の場合はどうでしょう?
自治体によって異なりますが、近年多くの自治体で独自の受給券を発行することにより、中学生まで薬代が無料だったり、あるいは1回で最大200円までとか、薬代がほとんどかからないようになっています。つまり薬代が安くなるといったメリットがほとんど発揮されないわけです。
そんな状況で患者さん(正確にはその保護者さん)に納得して後発品を使っていただくにはどうすべきか?私は薬の味、飲みやすさで先発品に勝るものを勧めるようにしています。
当薬局では小児の薬の後発品を採用する際には、基本的に試供品を持ってきてもらって、従業員で味見大会が始まります。薬剤師、事務関係なく率直な意見を述べてもらいます。その中で最も飲みやすいものを採用といった流れです。
その結果当薬局で採用した、美味しい薬、飲みやすい薬を紹介します。
・カルボシステインDS「タカタ」(先発品:ムコダインDS)
青リンゴ風味でマジで美味しいです。個人的に一番のお気に入り。舐め終わった後にも青リンゴのさわやかな味が残ります。
・クラリスロマイシンDS「タカタ」(先発品:クラリスDS)
まずい抗生物質の代名詞みたいなクラリスDSをよくぞここまで不味さを隠したなといった印象です。クラリスDSはイチゴ味ですが、クラリスロマイシンDS「タカタ」はバナナ味です。マクロライド系薬物なので酸で味が悪くなることは一緒ですが、先発品に比べて酸に混ぜた時も味の劣化は低めでした。
・シプロへプタジン塩酸塩Sy「武田テバ」(先発品:ペリアクチンSy)
先発品のペリアクチンSyは風味が無くて、後味もやや苦めでした。
後発品になってわずかに甘さがあり、飲みやすい感じがあります。先発品は透明なのに対して、後発品は黄色をしていて見た目的に美味しそうです。もしかしたらこの見た目に騙されているのかもしれません。(カキ氷のシロップが実は全部同じ味なのと一緒の理論ですね)
・モンテルカスト細粒「明治」(先発品:キプレス細粒、シングレア細粒)
先発品も十分美味しいですが、風味がないのかやや欠点でした。(単に甘いだけ)
モンテルカスト細粒「明治」はバナナ風味があります。後味が先発品よりちょっと美味しいです。
・オロパタジン塩酸塩顆粒「トーワ」(先発品:アレロック顆粒)
先発品と比べて味は大差がないです。しかし顆粒が先発品に比べて小さく、顆粒独特の口の中でのザラザラ感がありません。顆粒というより細粒といった感じです。食感に関しては好みがありますが、ザラザラ感が苦手な私はお勧めできます。
一方で後発品をお勧めできないものもありました。
・メイアクトDS小児用細粒
メイアクトDS小児用細粒を美味しいという人はあまりいないと思います。でも後発品はもっと不味いです。どのメーカーのものを使っても先発品に比べて味、風味、後味どれをとっても劣ります。逆に先発品はよくここまで味を良くできたと感心してしまいました。
・レボセチリジン塩酸塩OD錠(2.5)「タカタ」
今年6月にザイザルの後発品が発売されました。それに伴ってレボセチリジン塩酸塩OD錠(2.5)が
発売されました。2.5㎎のOD錠なら粉やシロップが苦手な子なら喜んで飲むかなと思ったのですが、正直不味いです。とてもお勧めできません。OD錠(2.5)は他に「YD」と「日新」が発売していますが、こちらはまだ試していません。味では好評の高田製薬がこの程度なので、どうやっても美味しくならないんだろうなと想像しています。
小児科の薬はどんな効果かより、飲みやすいかが保護者にとっては気になることだと思います。これに関しては文献を読んでも相手に納得できる説明はできないと思います。薬剤師ならば口に入れられるものは可能な限り口にし、その身をもって得た情報を相手に伝えたいものです。
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