薬歴を書く際に当然SOAPの内容は充実したものにすることが求められていますが、それと同じくらい頭書きに重要なことを書いておくことが大切です。
例えば副作用歴のある薬や薬物アレルギーに関しては、薬歴を開いて一番最初に目に入る頭書きにその旨を記載しなければなりません。(もちろん強調文字にしたり、背景色を使って目立つようにすればなお良しです)
いくらSOAPの中にたくさん書いても薬歴がどんどん書かれていくと、埋もれてしまって見落とされてしまいますからね。
とりわけ多くの薬局が緑内障や前立腺肥大症を持っている患者さんに関しては、頭書きにその旨を書いている薬局が多いです。
【例】
特記事項:緑内障 ← こんな感じ
副作用歴:なし
アレルギー:ピリン系アレルギー
併用薬:オパルモン(5)、セレコックス(100)、ムコスタ(100)
これなら抗コリン作用のある薬が処方されたら、すぐに調剤の手を止めて疑義紹介が必要かの確認ができますからね。
ところで近年多くの薬の添付文書が改定され、今まで「緑内障禁忌」だったのが「閉塞隅角緑内障禁忌」に変わっています。(ポララミン、セレスタミン、ブスコパンなど)
つまり隅角開放型か隅角閉塞型かで使える薬の数がまるで変ってきます。
では隅角開放型か隅角閉塞型かはどうやって調べるでしょうか?これは直接患者のかかっている眼科に問い合わせるしかありません。まあ閉塞隅角緑内障は圧倒的に少ないので可能性は少ないですが、間違って禁忌を投薬しても困りますしね。
でも肝心の眼科がお休みの場合は調べられません。ですが1個確認する方法があります。
それは患者に白内障の手術をしたことがあるか聞いてみることです。
白内障手術は水晶体を眼内レンズに交換するのですが、通常厚みの薄いものに交換します。その結果隅角が開くといった形になります。
白内障手術をしたことがあるかを頭書きに書いておけば、眼下に連絡がつかない時でもとりえあずの判断材料になります。
ちょっとした情報からインシデントが未然に防げるものですね。
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