アレサガテープ

アレサガテープ

花粉症の時期になりましたね。毎年花粉で鼻水と目のかゆみに悩まされる私には生き辛い季節になりました。受診抑制している患者さんもさすがに花粉症は我慢できずに薬をもらいに来ています。今回はこの時期に需要の高まる薬を紹介します。2018年に発売されたアレサガ®テープです。初の貼付の抗アレルギー剤です。使っている薬局は沢山出ているかもしてませんが、私の薬局も含めて全く在庫していない薬局も多いのではないでしょうか?いつ処方されても対処できるように、今回の記事を活用して下さい。

アレサガ®テープは有効成分はエメダスチンです。内服ではレミカット®カプセルがありますね。
アレサガ®テープの規格は4mgと8mgがありますが、基本は4mgを使用し、症状がひどい時は8mgに増量可能です。特徴をいくつか見てみましょう。
・適応はアレルギー性鼻炎のみ
同一成分のレミカット®カプセルはアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹、皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹に用いられます。たいしてアレサガ®テープはアレルギー性鼻炎のみです。もしかしたらいずれ適応を取るかもしれませんが、現状は皮膚科領域には用いられないので注意が必要です。
・使用可能部位が他の貼付剤に比べて多い
添付文書を見ると「通常、成人には、エメダスチンフマル酸塩として1回4mgを胸部、上腕部、背部、又は腹部のいずれかに貼付し、24時間毎に貼り替える」とされています。
貼付剤としてよく用いるホクナリン®テープやフランドル®テープでは使用部位は「胸部、上腕部、背部」となっています。アレサガ®テープは腹部が含まれていますね。少しだけ使用可能部位が広いです。
ただし腰部には使いませんので注意が必要です。添付文書中にも「腰部へ投与したときのAUC0-tは、胸部、上腕部、背部及び腹部へ投与したときよりも低かった。」と記載されています。腰に貼ると効果が弱くなるので注意しましょう。
・眠気が比較的強い
エメダスチンは第二世代抗アレルギー剤の中でもⅠ類に分類されます。
第二世代抗アレルギー薬・Ⅰ類
ケトチフェン、アゼラスチン、オキサトミド、メキタジン、エメダスチン
第二世代抗アレルギー薬・Ⅱ類
フェキソフェナジン、エピナスチン、オロパタジン、ロラタジン、エバスチン、べポタスチン、セチリジン、レボセチリジン、ビラスチン、デスロラタジン、ルパタジン
Ⅰ類はⅡ類に比べて眠気が強いです。第一世代抗ヒスタミン薬と比べれば少ないかもしれませんが、それでも注意が必要です。添付文書でも「眠気を催すことがあるので、本剤使用中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。」とされています。
また4mgから8mgに増量すると眠気が強くなるとされています。増量時に注意が必要です。
・効果発現は早く、半減期が長い
アレサガ®テープは貼付後7日間で定常状態に達するとされています。Cmaxは1~2時間程度なので効果発現は比較的早いですが、安定した効果を得られるには1週間程度を要することになります。
また半減期が長いことにも注意が必要です。添付文書上の動態パラメーターをみると14日間使用した場合、約15時間の半減期があります。単回投与では6mgで約14時間とされています。いずれにしても13~15時間程度の半減期があることになります。ホクナリン®テープは半減期が約6時間なので、ずいぶん長めですね。つまり剝がした後でもそれなりに効果が持続することになります。眠気などの副作用があった場合、剥がした後も続いてしまう事になります。
・腎機能低下の場合にも使い易い
エメダスチンは肝代謝型です。添付文書にも肝障害のある患者に対する注意の記載はありますが、腎機能の低下した患者に対する注意書きはありません。高齢者などは腎機能が低下していることが多いので使い易いですね。
以上アレサガ®テープについて書いてみました。
アレサガ®テープを使うメリットとしては服用が困難な高齢者や、腎機能の低下した人にも使えるといったことがあげられます。それは価値のあることですが、眠気や適応の少なさからすると、まだイマイチな印象は否めません。今度はより眠気の少ない物や、鼻炎だけでなく皮膚疾患にも使える貼付剤が出てくれることを祈っています。
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