MAO-B阻害薬の比較

錠剤

MAO-B阻害薬は少し前まではエフピーOD錠のみでした。しかし2018年、2019年と連続して新しいMAO-B阻害薬が発売されました。今回はMAO-B阻害薬のそれぞれの違いについて確認しておきたいと思います。

2018年にアジレクト錠(有効成分:ラサギリンメシル酸塩)、2019年にエクフィナ錠(有効成分:サフィナミドメシル酸塩)が発売されました。作用機序はともにMAO-B阻害作用を持ち、パーキンソン病に有効です。この二つで最も特質すべきはエフピーOD錠が覚醒剤原料だったのに対し、アンフェタミン骨格を有していないため、覚醒剤原料に相当しません。
これらの薬の違いについて確認していきたいと思います。
併用禁忌の違い
・エフピーOD錠
MAO阻害薬、三環系抗うつ薬、SSRI、SNRI、NaSSA(ミリタザピン)、NRI(アトモキセチン)、S-RIM(ボルテオキセチン)
ペチジン、タペンタドール、トラマドール
・アジレクト錠
MAO阻害薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SSRI、SNRI、NaSSA(ミリタザピン)、NRI(アトモキセチン)、S-RIM(ボルテオキセチン)、リスデキサンフェタミン
ペチジン、タペンタドール、トラマドール
・エクフィナ錠
MAO阻害薬、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、SSRI、SNRI、NaSSA(ミリタザピン)、NRI(アトモキセチン)、S-RIM(ボルテオキセチン)、リスデキサンフェタミンメチルフェニデート
ペチジン、タペンタドール、トラマドール
併用禁忌の数では最も古いエフピーOD錠が最も少ない形になります。
しかし四環系抗うつ薬、リスデンキサフェタミン、メチルフェニデートの添付文書には併用禁忌にMAO阻害薬となっています。(つまりエフピーOD錠もアジレクト錠も含まれる)
どちらを信じれば良いか分かりませんが、併用禁忌だと思った方が無難です。
またメジコンの添付文書にMAO阻害薬は併用禁忌と書かれています。(エフピーOD錠の添付文書には記載なし。アジレクト錠、エクフィナ錠では併用注意)
こちらも併用禁忌とみなした方が安全です。
切り替えの際の投与間隔の違い
MAO-B阻害薬は中止しても効果が持続するため、他剤に切り替えの際は基本的に14日間の休薬期間をおく必要があります。一方他剤からMAO-B阻害薬に切り替える際も薬によっては休薬期間が必要であり、これは個々に異なります。暗記するのは難しいので、図にしておきます。必要な際にご利用ください。
間隔1
間隔2

適応の違い
エフピーOD錠:パーキンソン病
       ※レボドパ含有製剤を併用する時:重症度Ⅰ~Ⅳ
                併用しない時:重症度Ⅰ~Ⅲ
アジレクト錠:パーキンソン病
エクフィナ錠:レボドパ含有製剤で治療中のwearing off現象
使用できる範囲はアジレクト錠が最も広いことになります。
※レボドパ含有製剤併用時でも使用量は変わらない
その他注意すること
アジレクト錠はセイオウオトギリソウ(セントジョーンズワート)と併用注意です。(アメリカでは併用禁忌みたいです(
エフピーOD錠、アジレクト錠はチラミン含有食品(チーズ、赤ワイン等)と併用注意です。(エクフィナ錠には記載なし)ただ作用機序からするとエクフィナ錠でもチーズ反応が起きてもおかしくないので、避けた方が無難でしょう。
以上それぞれの特徴を書いてみました。
全体的にみると覚醒剤原料でなく、適応の範囲も広いアジレクト錠が今後は沢山用いられる気がします。アジレクト錠はMAO-B阻害作用がエフピーOD錠に比べて数倍強く、効果も高いとされています。今後もMAO-B阻害薬については情報を仕入れていきたいと思います。
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