五苓散の処方例 下痢に対して処方

漢方薬

昨日かどうもおなかの調子が悪く、下痢が続いています💦
仕事には行けたのですが辛かったので、外来が始まる前に門前の先生に診てもらいました。その時の症状は以下のようになります。

・水様性の下痢が続く
・食欲がなく、気持ち悪さがあり(嘔吐はしていない)
・発熱などなし
・その他風邪症状はなし

処方された薬は以下の内容でした。

Rp(1)ツムラ五苓散 7.5g
    1日3回 毎食前 4日分
Rp(2)ミヤBM錠   6錠
    1日3回 毎食後 4日分
Rp(3)ブスコパン錠  1回1錠
     腹痛時    4回分

今回は五苓散が処方された意図について考察してみようと思います。
五苓散は津液の代謝異常に伴う疾患に用いられ、かなり広い適応範囲があります。(悪心・嘔吐、下痢、浮腫、頭痛、めまいなど)
今回は下痢に対して処方された形ですので、そこに中心に解説します。

結論から言うと冷たいものの摂りすぎによる消化管機能の低下です。
暑い時に沢山冷たい飲み物を飲むので心当たりはあります。
冷たい物を沢山摂取した結果、胃が冷えます。すると胃と表裏の関係にある脾も冷やされます。脾は食べ物を消化、吸収する機能を持ちますが、これが冷やされたことによって機能が低下し、消化、吸収が悪くなります。
その結果水分の吸収も悪くなり、消化管に水が溜まってしまします。これが下痢の原因になり、また逆流することによって悪心、嘔吐につながるわけですね。
私の場合は熱や激しい嘔吐などもなかったため、感染性胃腸炎ではなかったのでしょう。
そのため消化管から水分を取り除くことを目的として五苓散が処方されたわけですね。

五苓散に含まれる蒼朮には脾胃に対する温(暖める作用)、動(気・血・津液の流れを改善する作用)を持ち、白朮には脾胃に対する補(働きを補う作用)を持ちます。
これらの生薬により消化管機能を高め、水分の吸収を促進するわけですね。

五苓散における下痢以外の適応についても見てみましょう。
冷たいものの摂りすぎると体が冷えることによって寒邪が体に侵入します。
寒邪は経絡の流れを阻害することによって三焦の働きを悪くします。三焦は五臓にまたがって津液を循環させているため、腎への津液の循環も悪くなり、結果として尿量の減少や浮腫が起きます。また上半身への津液の循環が悪くなることで口喝も起きるわけですね。
この辺は 漢方の適応外処方 緑内障に柴苓湯 を読んで復習して下さい。

五苓散に含まれる沢瀉は腎に対する動を持ち、膀胱に対する動と冷(冷やす作用)を持ちます。膀胱に対する冷はかえって悪化させる気もしますが、五苓散には桂皮も含まれており、桂皮は膀胱に対して動、補、経絡に対して温、動の作用を持つので、結果として腎・膀胱の働きを高め、水代謝を改善します。
この結果、尿量減少や口喝、浮腫などに用いられる理由が分かりますね。

五苓散を飲んで2日目ですが、ようやく少しだけ下痢がおさまってきました。
原因が体の冷えにあるので、今度は冷たいものの飲みすぎに注意が必要ですね。また寒邪の侵入を防ぐために冷房の掛けすぎや、布団をかけずに寝るなどといったことも避けなければなりません。原因が分かれば、未然に防ぐために何をすればいいかも見えてきます。

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