ベオーバの登場でベタニスはサヨナラ

腎・泌尿器科の薬

最近は過活動膀胱の治療薬でベオーバが頻繁に使われています。
予想以上に売れてしまっているようでメーカーによる出荷規制がかかり、地域によっては入手が困難になったり、納品までに時間がかかったりしています。
ベオーバが登場するまではベタニスが唯一のβ3受容体作動性の過活動膀胱治療薬でした。ベオーバとベタニスの違いについて確認してみましょう。

①β3受容体への選択性が高く、循環器系への影響が少ない。
β3受容体に対する選択的作動薬(特異的ではありません)なので、どうしてもβ1、β2受容体への影響があります。そのためベタニスは定期的に心電図や血圧測定の検査義務があります。一方ベオーバはβ3への選択性が高いので検査義務がありません。
※他にもベタニスは眼圧上昇作用があるので、定期的な眼科検診の必要があります。ベオーバにはありません。

②催奇形性が認められていない。(今のところは)
ベタニスは催奇形性が認められているため、添付文書に警告文で「生殖可能な年齢の患者への投与はできる限り避ける」となっています。
一方ベオーバにはこのような記載がありません。まだ登場して2年もたっていないので、今度改定される可能性は否定しきれませんが、今のところは見つかっていないようです。

③併用禁忌がない。
ベタニスはプロパフェノン、フレカイニドといった抗不整脈薬との併用が禁忌です。(β1受容体への作用による)
ベオーバは併用禁忌がありません。

④腎機能低下患者でも用量調節が必要ない。
ベタニスはeGFRが15~29mL/minの患者では25㎎から服用を開始します。(ベタニスの規格は25㎎と50㎎)ベオーバは腎機能低下患者でも用量の調節はありません。(規格も50㎎のみです)
ベオーバの未変化体排泄率は尿中に20%程度、糞中に50%以上なので、腎臓への影響が少なのでしょうね。

ざっと挙げてみましたがこれだけのメリットがあります。そりゃ~お医者さんも安心して使えるわけですね。もちろんベオーバも尿閉の副作用もありますが、それはベタニスも同じですし。最近ベタニスはめっきり見なくなったなあ。ベオーバのシェアが圧倒的に上がっているのは納得です。

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