2022年調剤報酬改定 薬剤調整料・調剤管理料・服用歴管理指導料の新設 ③服薬管理指導料について

調剤報酬

薬剤調整料、調剤管理料、服薬管理指導料の新設についての最後の記事になります。今回は服薬管理指導料についての説明です。前回前々回の記事で説明したように、服薬管理指導料は主に投薬後の対人業務に対する報酬となります。

それでは服薬管理指導料を詳しく見てみましょう。

基本的な考えは薬剤服用歴管理指導料とあまり変わりません。まずは点数の違いから見てみましょう。

基本的に2点アップです。やはり今回の改定は対人業務に対する報酬は優遇されますね。変更点としてオンライン服薬指導が今までは月に1回までだったのが、改定により上限が外されています。3ヶ月以内とそれ以外で分かれており、一般的な外来受付と変わりません。オンライン服薬指導も推進したいのでしょう。

次に算定要件について見てみましょう。一般的な外来における処方箋受付については以下のようになっています。

細かい文言が薬剤服用歴管理指導料の時と少し変わっていますが、そこまで大きな内容ではありません。しかし”へ”に書いてあるように、フォローアップをすることが明確化されていますね。

次に特別養護老人ホームに訪問して服薬指導を行った場合の算定要件です。

“ヘ”についての記載で分かるように、特別養護老人ホームの患者に対してもフォローアップが明確化されています。

最後にオンライン服薬指導の算定要件について見てみましょう。

オンライン服薬指導でも手帳の有り無しで点数が変わってきますね。というかオンライン服薬指導では電子お薬手帳はもはや必須といえるでしょう。
こちらは過去記事も参考にしていただければと思います。 ⇒ 投薬後のフォローアップ 電子お薬手帳の必要性

ここまでの説明は服薬管理指導料の算定要件や点数についてです。細かいところは多少異なりますが、薬剤服用歴管理指導料の時とそこまで大きな変化はありません。フォローアップは必須、オンライン服薬指導でもお薬手帳は必要といったところでしょうか?

しかし今回の改定で大きく変わった箇所があります。これが服薬管理指導料の特例です。

・服薬管理指導料の特例
これはかかりつけ薬剤師指導料を算定している患者さんに対して、かかりつけ薬剤師が対応できなかった場合に、かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合に所定の点数を算定できる特例です。かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師は”十分な経験を有する薬剤師”とされていますが、その要件に関しては現在まだ分かっていません。

手帳ありの外来患者に対する服用歴管理指導料は45点、かかりつけ薬剤師指導料が76点、今回の特例が59点です。かかりつけ薬剤師とキチンと連携が取れている薬剤師ならそこそこ高い点数を上げてもいいんじゃない?といった内容です。それにしても”十分な経験を有する薬剤師”というのが難しいですね。キャリアだけ無駄に長くて仕事は全然できない薬剤師も沢山います。この辺は要件を厳格にして欲しいものです。

続いて服用歴管理指導料の加算について見てみましょう。今回新たに追加された加算があります。それが小児特定加算です。

・小児特定加算
これは医療ケア児やその家族に対する指導を行った場合の加算です。算定要件は以下のようになっています。

児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児とは⼈⼯呼吸器を装着している障害児や、その他にも日常生活を送るのに医療を要する障害児をさします。注8に規定する加算は算定できないとありますが、これは乳幼児加算と併用できないという意味です。
小児特定加算はかかりつけ薬剤師指導料でも算定することができます。また在宅患者訪問薬剤管理指導料においても加算でき、この場合は450点が加算されます。
医療ケア児に対する処方は複雑であり、また調整にかなりの手間を要するため、これくらいは算定して当然かもしれません。当該患者が児童福祉法第56条の6第2項に該当するかをしっかり確認しておかないといけませんね。

新設された加算は小児特定加算ですが、その他には調剤後薬剤管理指導加算が30点から60点に上がっています。また重複投薬・相互作用防止等加算が調剤管理料の加算に組み込まれているので、服薬管理指導料の加算にはなりません。この辺が変わったところですね。

薬剤調整料、調剤管理料、服薬管理指導料の3つを立て続けに書いてみましたが、さすがに疲れました💦次回あたりは調剤報酬とは別の記事を何個か挟んで、その後また調剤報酬の記事に戻ろうかと思います。

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